公認会計士の就職先は監査法人だけじゃない?細かな業務内容も解説
公認会計士の就職先は監査法人だけじゃない?細かな業務内容も解説

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公認会計士の就職・転職は有利?

公認会計士の就職事情はリーマンショック以降困難でしたが、最近では景気回復に伴い増加しています。

就職による進路先

以前は、公認会計士は監査法人に入るのが一般的でした。しかし、リーマンショック以降の不景気により監査法人の採用が激減し、就職氷河期と呼ばれる時代がきたことで、流れに変化が訪れます。

監査法人志望だけでは就職浪人するリスクが増えたこと、また、国が一般事業会社への斡旋や業務補助の要件緩和をしたこともあり、公認会計士の監査法人以外への就職・転職が活発になりました。

2020年現在では、景気の回復により再び監査法人の採用が増え、売り手市場となっています。

現在の主な就職先としては、公認会計士の本業である「監査」がメイン。ほとんどの公認会計士合格者が、監査法人に行きます。

ほかの就職先として、一般事業会社、コンサルティング会社、税理士法人、独立して開業などがありますが、割合としてはそれほど多くありません。

会計士の仕事内容

会計士の仕事内容
公認会計士として就職すると、主な仕事内容は「監査業務」と「税務業務」になります。

就職する企業によっても異なりますが、公認会計士は会計・税務知識を生かした業務を行うことがほとんどです。

監査業務とは

監査業務とは、企業の財務諸表をチェックし、適正に作られているかどうかを企業から独立した立場で調査することです。

企業の所定の期間の経営成績等を表す財務諸表は、企業の株主や取引先、融資をしてくれる銀行などのの利害関係者に提供されます。

利害関係者は財務諸表に基づいて企業に対する評価・判断を決定するため、財務諸表に間違ったデータが記されていると、多方面に影響が出てしまいます。

大きな会社であれば、財務諸表のちょっとした間違いや改ざんが社会経済全体に影響を及ぼしてしまう恐れもあるのです。

こういった事態が起こらないように、利害関係等のない独立した立場で監査を行うのが、公認会計士です。財務諸表の監査は公認会計士の独占業務と言われ、公認会計士のみができる仕事になります。

経済市場に大きな影響を与える可能性がある重要な仕事であると同時に、公認会計士ならではのやりがいのある業務と言えるでしょう。

税務業務とは

税務業務とは、企業や個人の税務書類の作成や税務申告の代理業務など、税務についての全般的な業務を指します。

税務業務は、本来であれば税理士が担当する業務です。しかし、公認会計士の資格を持っている人は税理士登録もすることが可能なので、税務に関する業務も行うことができるのです。

公認会計士として監査法人に就職した場合には税務業務よりも監査業務がメインになることが多いですが、たとえば独立して開業をする場合などに税務業務も同時に行うことがあります

会計に関するコンサルティングをする場合には、財務・会計だけでなく、税務面でのサポートをすることでより包括的なサービスを提供することができます。

そういった理由もあり、税務業務も行う公認会計士は多くいらっしゃいます。

その他の業務

監査法人に就職した場合でも、財務・会計のコンサルティング業務や、IPO(上場支援業務)、内部統制監査業務などを行うことがあります。

公認会計士は、財務や会計の知識が豊富かつ監査業務で様々な企業を調査しているとこともあり、企業の経営に関するアドバイスやサポートといった業務を行うことがあります。

それが、コンサルティング業務やIPO業務です。

IPO業務は、スタートアップ企業などが上場を目指す際に業務上の課題に対してサポートする業務を指します。企業の経営に関わるコンサルティングになるため、やりがいの大きい仕事です。

公認会計士が行う業務として、「内部統制監査」という仕事はなかなか聞いたことがない方もいるかもしれません。

内部統制とは、企業内の業務を適正に行う体制を確保することで、企業にはきちんとした内部統制を構築する義務があります。

内部統制に問題ないかどうかを証明するために企業が作成する内部統制報告書について、偽りがないかどうかを公認会計士が監査します。

このように、公認会計士は監査だけに限らず様々な業務を行います。就職先や配属される部署によってどのような業務をメインに行うかは異なりますが、企業の財務や会計など、経営の根幹に関わる仕事ができるため、非常に責任感の大きい職務を任されることになります

監査法人における公認会計士の就職事情

監査法人における公認会計士の就職事情
ここからは、公認会計士の主な就職先を見ていきましょう。

公認会計士試験の合格者のほとんどは監査法人に就職しますが、その中でもBig4」と呼ばれる四代監査法人(新日本有限責任監査法人・有限責任あずさ監査法人・有限責任監査法人トーマツ・PwCあらた有限責任監査法人)に集中しています。

これらの会社は規模も大きく、年齢に関係なく採用数が多いためです。

その他には比較的規模の大きい中堅監査法人(東陽・太陽ASG等)が公認会計士に人気です。

大手と中堅の働き方・業務内容の違い

それぞれの職場のメリットを見てみると、大手監査法人は規模や職種、給与(年収・給料)、福利厚生の面で優れていると言えます。

しかし、人数が多いため中々現場で仕事を回してもらえないなどの面もあるようです

大手監査法人では、チームを組んで担当する企業の監査を行います。大規模な企業になると、何十人ものメンバーでチームを組むこともあるため、経験の浅いうちは比較的負担の少ない業務を任せられることも多いのでしょう。

しかし、その分経験者の先輩が周りに多くいるということでもあるため、じっくり実力を付けていくことが可能と言えます。

一方の中堅監査法人では、すぐに現場で責任ある仕事を任されたり、ある種の専門的業種に特化していたりと、独自性があるため好んで就職・転職する人もいるようです。

会計士個人の能力を評価してもらう場面が多くなるため、若いうちからバリバリ活躍したいという方には向いているでしょう。

しかし、大手監査法人と比較すると担当する企業の規模が小さめになるものの、一人あたりの業務量が大きくなる場合もあります。

会計士事務所またはその他の一般企業・職種

会計士事務所またはその他の一般企業・職種

大手・中堅の監査事務所だけではなく、個人の会計士事務所に就職して監査や会計の業務に就く人も多いです。

個人の会計士事務所はそれぞれ自性のある強みをもったものがあり、監査法人にはない小回りが利きます。そのため、公認会計士として専門性の高い業務経験を積める可能性があると言えます。

また、少人数の事務所などでは、若手のうちからすぐに重要な仕事ができるところもあるでしょう。

しかし、ほとんどの企業は個人の会計事務所ではなく大手監査法人や中堅監査法人と契約していることが多く、個人の会計士事務所で担当する監査案件は比較的小規模になってしまう可能性もあります。

一方、税務業務やコンサルティングなどを行う会計事務所もあるため、広範囲の業務をできるというメリットがあるため、広い経験を積みたい人には向いているかもしれません。

その他の就職先としては、コンサルティング会社や一般の事業会社、税理士法人などが挙げられます。これらの就職先では、会計の知識や資格を有用に使える企業・業種への就職が多いです。

大企業などでは、経理部や財務部に配属され社内の会計監査を行ったり、税務に関する業務を担当することもあります。

どんな企業であれ経理・財務は非常に重要な仕事なので、会計士資格を持っている人材は重宝されると言えます。

監査法人への就職活動のポイント

監査法人への就職活動のポイント

公認会計士の就職先は監査法人以外にも多々あるとは言え、やはり人気を集めている就職先は監査法人です。

では、監査法人へ就職するにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

ここでは、監査法人への就職活動のポイントを解説していきます。

監査法人の就職活動

監査法人の就職活動で最も注意したいのは、就職活動期間の短さです。

というのも、公認会計士試験(論文式試験)の合格発表が11月中旬、そして監査法人の内定が出るのが12月初旬~中旬。つまり、2週間ほどしか就職活動期間がないのです。

監査法人の就職選考は、エントリーシートと面接によって行われます。そのため、内定を得るには公認会計士試験の合格発表を待たず、2次試験が終わった段階でエントリーシート・面接対策を始めるのがベストでしょう。

また、監査法人への就職を考えている方がしっかり対策しておきたいのが、面接です。

通常の就活であれば、第一企業を受けるまでにたくさんの企業の選考を受けて面接に慣れることもできますが、就職期間が短いと面接慣れをするのも難しいです。

そのため、自分で業界研究やシミュレーションを何度も繰り返して、志望動機、自分の強み、自分のキャリア像などを答えられるようになっておく必要があります。

短い就職活動期間の中で希望の内定を得られるように、公認会計士試験が終了してからすぐに選考対策を行いましょう。

公認会計士はAIの登場で就職難になる?

現在は就職売り手市場と言われている公認会計士ですが、AIの普及によって今後就職難になるのでは、という声もあります。

AIによって業務が効率化されたり、人間が行っている仕事を奪われてしまうのではないかという懸念は、公認会計士だけでなく様々な分野であるでしょう。

しかし、今の時点では、まずAIを導入するためのシステム構築に時間がかかり、なおかつAIを扱える人材の確保も難しいところが多いでしょう。

また、コンサルティング業務などは、企業の担当者とのコミュニケーションも重要になるため、まだまだ人が行う業務範囲は広いです。

そういった面を考えると、すぐにAIに取って代わられるという状況は考えにくいと言えます。

特に公認会計士は専門性が非常に高い業務でもあるため、引き続き優秀な人材が必要となることが考えられます。

とは言え、いつまで現状の公認会計士売り手市場が続くかはわかりません。その点を考えると、売り手と言われているうちになるべく早めに公認会計士試験合格を目指して活動することがおすすめです。

まとめ〜2020年も公認会計士は売り手市場〜

まとめ〜2020年も公認会計士は売り手市場〜
今回は、公認会計士の就職先や、業務内容について解説してきました。

公認会計士試験は、学歴や年齢に関係なく受験することができます。

資格試験の難易度は高いものの、いま合格すれば公認会計士は売り手市場で、他業種と比べて給与面も良い傾向にあります。他職種からの転職の場合は、年収アップも狙えるでしょう。

そんな公認会計士ですが、就職で注意をしておきたいのが、就職・転職活動を行う場所。

監査法人は全国各地にあるため地元就職を目指す受験生もいると思いますが、多くの試験合格者は東京をメインで就職・転職活動を行います。

やはり東京は日本の首都であり多くの上場企業が本社を設けているため、監査業務やコンサルティング業務の案件が多いもの。そのため、監査法人や会計事務所も東京に多く集まっています。

地方に済む受験者などは、地方と東京を往復しながらの就職・転職活動は、経済的にも時間的にも大変です。

大手監査法人や上場企業への就職を目指す場合は1回きりの選考では決まらず、最低でも2回以上は面接試験があるので、最低2往復の覚悟はしておきましょう。

試験対策・就職の2つの面で東京の活動がおすすめ

先程のような企業の分布もあり、東京は就職に関する情報が豊富で、合格発表前にも監査法人見学ツアーなど開催されています。

東京を拠点にすればこのような就職・転職イベントに参加することもでき、いち早く就職先の環境を把握できるでしょう。

試験の面を考えても、東京は公認会計士の専門学校も多く、大手の資格予備校などでは主力講師が東京に在籍していることが多いです。独学よりも質の高い勉強ができることは間違いありません

公認会計士試験を本気で目指すのであれば、大学生は授業との両立が難しいですが、元社会人や卒業生などの専念組は東京で勉強することも一つの方法です。

公認会計士は売り手市場とは言え、今後いつまで続くかを予測することは正直難しいです。世間の景気の流れやAIの導入など、様々な要因によって公認会計士の需要が変わるでしょう。

そのため、公認会計士を目指している人は、売り手市場と言われているうちに早めに合格を目指すことをおすすめします

合格への近道とも言える公認会計士専門学校などを活用して、ぜひ合格を目指してみてください。

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