弁護士バッジは有名ですが、公認会計士にもバッジがあることをご存知でしょうか。
実際にどんなバッジかイメージが浮かぶ人は非常に少ないと思います。
なぜこんなにも知名度が低いのでしょうか?
また、巷ではダサいと言われることもありますが、デザインにはどのような意味が込められているのでしょうか?
本記事では、これらの点を中心に、公認会計士のバッジについてデザインや着用状況の実態などについて解説していきたいと思います。
公認会計士のバッジについて
ダサいと評判!?デザインの意味
公認会計士バッジのデザインは、「基本図形の正方形の集合を楕円で切り取ったデザイン」です。
そして、このバッジの裏側には一人一人の公認会計士登録番号が刻印されています。
デザインの意味は公認会計士協会のHPで下記の通り紹介されています。
『「安定感」を持つ正方形の連続により経済社会の安定を守る公認会計士の連帯を表し、正方形が構成する楕円は「グローバルなイメージ」を感じさせ、世界経済を守る公認会計士の誇りを表しています。』
(公認会計士協会HPより抜粋)
「経済社会の安定」や「グローバル」がイメージされているようですが、何とも伝わりにくいデザインですね。
公認会計士の資格保有者の界隈でもあまり評判が良くないというのが実態で、ださいと言われているのも時折耳にします。
実はこれでも旧デザインが不評だったために、2009年に現在のデザインに変更されているのです。
旧デザインは「C.P.A」(公認会計士の英名 Certified Public
A公認会計士のバッジについて書かれたバッジだったのですが、デザインが不評で着用率が低く、現在の正方形が集合したデザインへと変更された経緯があります。
現在のデザインでもバッジを着用している人はほとんどおらず、こうした事情もあってデザインがださいと評判されているのでしょう。
バッジはいつもらえるのか。試験合格後?登録後?
公認会計士のバッジは論文式試験の合格後にもらえるわけではありません。
公認会計士として正式に登録が完了した際に公認会計士協会から授与されます。
公認会計士の登録までの関門を整理すると以下の通りです。
- 短答式試験合格
- 論文式試験合格
- 実務補習所における実務補習の修了及び2年以上の実務経験
- 修了考査の合格
上記4つのステップをクリアしてようやく晴れて正式に公認会計士として登録することができ、公認会計士バッジを受け取ることができます。
実務現場で必要?なぜ知名度が低いのか
実務現場では必要
公認会計士バッジは着用率が低いと紹介しましたが、実はバッジの着用は義務付けられています。
会員章細則第2条第1項にて「会員は,会員章は会員の身分を象徴するものとして認識し,業務を行うときは常にこれを着用しなければならない。」と定められているのです。
つまり、公認会計士バッジは自分自身が偽りなく公認会計士であることを証明するためのものですので、業務を行う際は、このバッジを常につけておくことが求められているのです。
着用率が低い理由
ご紹介の通り、公認会計士バッジは着用が義務付けられているものです。
しかし、街中やビジネスの場面で実際に公認会計士バッジを見かけることはまずないでしょう。
公認会計士として働く私ですら、これまで着用している人を見かけたのは数えるほどです。
これほど着用率が低い理由はなぜなのでしょうか?
一つの理由は、既にご紹介の通りデザインが不評であることが挙げられます。
公認会計士界隈では、バッジを着用することがなんとなく恥ずかしいと感じる人が多いというのが実態でしょう。
着用率が低いゆえに、着用している人が目立つという状況になり、さらに着用率が低くなってしまっている負の連鎖の構造になっているのです。
また、もう一つ挙げられる重要な理由は、着用しないことでの不都合がないことでしょう。
例えば弁護士バッジは裁判所への入場時や警察署へ被疑者に接見しに行くときにも、一目で弁護士であることを証する役割があります。
一方で、公認会計士は監査先の企業に訪問する際などに、いたずらに公認会計士であることをアピールする必要もありませんし、公認会計士バッジを着けておいて役立つ機会もほとんどありません。
このように、バッジのデザインが不評であることや、バッジを着用することのメリットが乏しいことがバッジを着けない公認会計士が多い理由と考えられます。
関連資格の税理士もある?
実は、公認会計士にバッジがあるように士業の資格にはそれぞれバッジがあります。
そのため、当然、公認会計士の関連資格の税理士にもバッジがあります。
税理士バッジは、日輪の中に桜の花があしらわれているシンプルな和風のデザインをしています。
税理士バッジも公認会計士と同じく着用率が高くないというのが実情で、知名度はあまり高くないかもしれません。
しかしながら、税理士のなかには通常時は着用しないものの、税務署や役所での税務相談など公的機関へ赴く際には、税理士バッジを着用する人も少なからずいるようです。
そのような公的の場では、初対面の人にも簡単に税理士と理解してもらえることで仕事をスムーズに進められるメリットがあるのでしょう。
公認会計士のバッジまとめ
本記事では、公認会計士のバッジについて解説してきました。
着用率が低くために、一般の知名度が低いという実態を紹介しました。
デザインが不評であるのは事実ではありますが、公認会計士のバッジには公認会計士の社会的役割である「経済の安定」などへの意味が込められており、格式ある重要なものです。
公認会計士が、誇りをもって当然のようにバッジを着用している世界になることを願うばかりです。