公認会計士は食えない?言われる理由と実務の現場で実際に感じたこと

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公認会計士が食えないという噂の真意を解説しています

難関国家資格にもかかわらず公認会計士が食えないと巷で言われる理由について実際の実務現場と照らし合わせて紹介

公認会計士は、医師、弁護士に並ぶ三大国家資格の一つであり超難関資格です。

そのため、公認会計士になって明るい将来を期待する方も少なくないでしょう。その一方で、「公認会計士は食えない」、「AIで仕事がなくなる」などの噂からマイナスなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実際のところ、公認会計士の仕事の範囲は拡大しており、今後も発展が見込まれる将来性の高い資格なのです。

本記事では、公認会計士業界の現在の実態を詳しくお伝えし、これらの噂が本当かどうかについて解説していきます。

公認会計士は食えないと言われる理由

公認会計士は食えないと言われる理由
「公認会計士は食えない」、「公認会計士は仕事がなくなる」という噂を聞いたことがある人も多いのはないでしょうか。これらの噂は何を根拠として噂されているのでしょうか。

主に以下が根拠とされています。詳細について解説していきます。

  • 大量合格時代の就職率低下
  • AIにより仕事を取られる

大量合格時代の就職率低下

公認会計士業界で、大量合格世代と呼ばれる、試験合格者の就職率が非常に低かった世代がありました。この世代の合格者は、リーマンショック後の就職難の時期ということもあり、約半数が就職先を見つけられないという事態に陥ってしまっていました。この就職難により、公認会計士は食えないとイメージされるようになったのです。

大量合格世代と呼ばれる2007年~2008年試験の試験合格者は年間3,000~4,000人と、例年の2-3倍の合格者がいました(2021年の合格者は1,360人)。これは、将来的に公認会計士業務が増えることを想定されるなかで、金融庁により試験合格者数を増加させるという目標に基づき、合格者数を急激に増加させたものでした。ところが、同時期のリーマンショックによる景気後退も相まって、監査法人での採用数は合格者数ほど増えず、試験合格者の約半数が就職できないという公認会計士の就職氷河期が到来しました。

この就職難のイメージにより、公認会計士資格は食えないという現在の状況に適さない噂が広まることになったのです。

実際のところ、就職難の状況は現在は完全に解消されています。

金融庁は、この就職問題を受け、試験の合格者数を従来水準である年間1,000人前後まで絞りました。それ以降、アベノミクスによる景気回復の影響もあり、一転して監査法人は人手不足に悩まされる状況となり、就職市場は完全な売り手市場へと変貌しました。売り手市場の状況は現在も継続しており、試験合格者のほとんどは監査法人に就職できる状況が続いています。

AIに仕事を取られる

2015年、仕事のAIへの代替可能性について、野村総研と英オックスフォード大学の共同研究結果が発表されました。そこでは、公認会計士の仕事がAIに代替される可能性は80%以上という高い数字の結果になりました。これのみならず、雑誌などのAIに代替される仕事ランキングでも上位職業の常連となっています。実際に公認会計士の仕事はAIに代替され、将来的に公認会計士の仕事はなくなっていくのでしょうか。

実際のところ、公認会計士の仕事をAIが取って変わることはできないと考えています。

確かに、会計分野は、AIが得意としている予め設定された一定の処理を繰り返すこと、様々な情報の中から一定のパターンを見抜くことなどが適したフィールドで、実際にAI活用が進んできている分野であります。これが会計士がAIに代替されると言われる理由でしょう。

ところが、公認会計士が行う会計監査という仕事は、複雑かつ突発的な判断の連続です。企業の置かれる状況は様々であり一定の規則性や連続性もありません。そのような状況下で、会計基準に照らして企業の会計処理が適切に行われているか否かを自動化されたAIが判断することは難しいでしょう。

また、クライアントとのコミュニケーションも会計監査の非常に重要な仕事の一つです。監査の仮定で、疑義があればクライアントへ質問したり、追加の資料提出を求めたり、などが必要となります。これらの協力はクライアントとの信頼関係の下に成り立つもので、AIが自動的にクライアントへ質問や資料依頼などをやってくれるとは考え難いのではないでしょうか。

とはいっても、AIが公認会計士資格に影響を及ぼす重要なツールであることは間違いないでしょう。実際に、単純な数値更新作業や定型的な作業についてのAI活用は、監査法人でも積極的に進めています。これからの時代では、会計だけでなく、AIツールを効果的に活用できる公認会計士が求められてくることでしょう。

食えないはウソ?実務の現場で感じたこと

食えないはウソ?実務の現場で感じたこと
公認会計士が食えないと噂される理由について解説してきました。噂される根拠についてもお伝えしてきましたが、実態としては、「公認会計士は食えない」はウソということはご理解いただけたことと思います。実務の現場を経験し、公認会計士は非常に将来性のある職業である感じています。これからは、実務の現場で感じた公認会計士の将来性について解説していきたいと思います。

公認会計士の仕事は広がっている

公認会計士の仕事の範囲は年々広がっていっています。

公認会計士の本業は財務諸表監査ですが、昨今、会計基準の複雑化や監査の品質向上などの影響により監査業務の需要は年々増加しているのが実態です。不正会計の手法の複雑化や大規模化により、監査業務に要求される項目は増加傾向にあり、クライアント企業から受け取る監査報酬の水準も増加傾向となっています。

これを背景に、監査法人では人手不足が叫ばれる状況が続いており、今後も公認会計士に対する需要はますます増加していくことが予測されます。

また、近年、公認会計士の活躍フィールドは財務諸表監査以外も仕事にも広がりをみせています。公認会計士は企業のビジネスや会計、内部管理などに対する専門知識を有していることから、コンサルティング業務の依頼は多くなってきています。このように公認会計士人材に対する需要は高く、組織内会計士として企業や官公庁に所属して会計専門家として実務に携わる公認会計士も増加傾向にあります。

そのほかにも、世界的にもESGやサスティナブルなどが叫ばれるなか、環境会計と呼ばれる新しい会計領域などが生まれています。環境会計とは、企業が実施した環境保全にかかった費用や削減効果などを具体的に数値することを言います。環境に配慮した経営が国際的にも注目を受けているなか、各企業においても環境への対応は無視することのできない分野となっており、グローバル企業をはじめ対応を進めている状況です。

この新しい環境分野においても、公認会計士の専門的な会計知見による活躍が期待されており、公認会計士の仕事の機会はますます増えているといえるでしょう。

就職率が高い

既に解説したとおり、公認会計士の需要は高まっており、現在の就職市場は完全な売り手市場の状況です。監査法人では人手不足の状況が続いており、各監査法人は公認会計士試験合格者の獲得に力を入れています。2007年~2008年頃は、大量合格世代とも呼ばれ、リーマンショックとも相まって、就職難の状況が続いていましたが、現在では完全に解消していると言えるでしょう。監査法人のみならず、事業会社からの需要も高まっていることもあり、近年の試験合格者の就職率は100%近い状況となっています。

平均年収が高い

公認会計士の平均年収は一般の会社員と比較しても高い水準にあります。厚生労働省『賃金構造基本調査』(令和2年)では公認会計士・税理士の平均年収は、958万4,200円とされており、労働者全体の平均年収478万2,900円と比較しても高い水準と言えるでしょう。大手監査法人で勤務し、一般企業の役員にもあたるパートナーと呼ばれる職位まで昇格できれば平均年収は2,000万円以上ともいわれており、高年収獲得のチャンスも十分にあります。また、公認会計士として独立開業すれば、個人の能力次第では年収3,000万円超も全く不可能な話ではありません。

また、初任給についても、一般の新卒初任給と比べてかなり高い水準となっています。

大卒者の新卒初任給は平均225,400円(厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)となっている一方で、大手監査法人の初任給は月額305,000円~と一般の新卒者と比べ8万円以上もの差があります。

このように、公認会計士の年収は一般の会社員と比べても高い水準にあり、公認会計士の仕事で食っていけないということはまずないと考えられるでしょう。

士業は強い

公認会計士に限らず、弁護士、税理士、司法書士など様々な資格はありますが、やはり士業への需要は根強いものがあります。士業はその分野の専門家であり、社会からの期待や信頼も厚いです。生涯に複数回転職を重ねる人も少なくない世の中において、士業の資格を有していることは転職市場でも有利に働きます。また、独立して事務所を開業するという選択肢もあり、幅広いキャリアパスを描くことができるのもメリットの一つです。このようにキャリアの選択肢を多く持てる士業資格は、安定して「食っていける」仕事といえるでしょう。

公認会計士になるのは難しい?勉強時間は?

公認会計士になるのは難しい?勉強時間は?
公認会計士は今後も発展が見込まれる将来性の高い資格であることを解説してきました。一方で、公認会計士は難関資格言われており、資格取得を躊躇してしてしまう人も多いことでしょう。ここでは、公認会計士の合格率や勉強時間などについて紹介します。

公認会計士の合格率は?

公認会計士は難関国家資格と言われていますが、どれくらい難しいのでしょうか。

直近の合格率は10%前後で推移しています。公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2段階形式となっていますが、これは、両方を合格できた人の最終的な合格率を示しています。

毎年、受験生のうち10人に一人しか合格できておらず、やはり難関資格ということで合格率は低くなっています。

2017年(平成29年) 2018年(平成30年) 2019年(令和元年) 2020年(令和2年) 2021年(令和3年)
願書提出者数 11,032人 11,742人 12,532人 13,231人 14,192人
最終合格者数 1,231人 1,305人 1,337人 1,335人 1,360人
合格率
(願書提出者数
÷
最終合格者数)
11.2% 11.1% 10.6% 10.0% 9.5%

試験合格までの勉強時間は?

公認会計士試験合格者の勉強時間は2,000~5,000時間と言われています。

受験回数によっても勉強時間が大きく異なってくるため幅がありますが、平均すると合格レベルに達するのに必要な勉強時間は3,500時間~4,000時間が目安と言われています。

勉強開始から合格までは、一般に2~4年間かかるといわれています。

資格予備校における公認会計士試験対策講座は、最も一般的なもので2年で合格を目指すカリキュラムとなっています。

しかし、2年で合格する方は多くはありません。難易度が非常に高い試験のため、勉強期間2年で1発合格できる方は少数で、多くの方は2回~3回受験して合格する方が多くなっています。

まとめ

公認会計士業界の実態を詳しくお伝えし、「公認会計士は食えない」、「AIで仕事がなくなる」などの噂が本当かどうかについて解説してきました。

公認会計士には就職氷河期とも呼ばれる時代があり、就職難の状況を理由に、公認会計士は食えないというイメージが一部で定着したと思われます。

現在の公認会計士の就職市場は、完全な売り手市場の状況であり、就職率も100%近い状況です。

平均年収も900万円以上といわれており、一般企業の平均年収と比較しても、高収入が得られる資格といえるでしょう。

また、AIの普及により公認会計士の仕事がなくなるという噂もありますが、実際のところ、公認会計士の仕事はAIにより代替できるものは少なく、ほとんどは高度な判断の伴う仕事やクライアントとのコミュニケーション業務であり、AIにより仕事がなくなるということはないと考えられます。

そればかりでなく、社会からの監査に対する期待水準の高まりや、環境会計などの新しい会計領域の発生などから、公認会計士の活躍の機会は高まっている状況です。

このように、「公認会計士は食えない」、「AIで仕事がなくなる」などの噂について検証してきましたが、公認会計士は今後も発展が見込まれる将来性のいい職業であるといえるでしょう。