公認会計士試験を独学で合格することは可能?
公認会計士試験を独学で合格することは可能?

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公認会計士試験を独学で合格できるかを難易度等で解説

独学で公認会計士試験に合格することは非常に困難で、会計士講座を受講するのが一般的です。

公認会計士試験独学で合格できるかを現役会計士が解説!

公認会計士は、国家最難関とも言われる会計資格。

「公認会計士試験は独学で合格できるの?」

「専門学校に通うのは高い受講料が気になる…。」

そういった気持ちをお持ちの方もいらっしゃると思います。公認会計士は難関資格であり、一般に独学での勉強は極めて難しいと言われていますが、実際に独学で合格できた人もいます。

この記事では、現役公認会計士が「公認会計士試験に独学で合格できるのか?」、「独学のメリット・デメリットは?」といった点について考えていきたいと思います。

独学公認会計士試験に合格するのは無理?

独学で公認会計士試験に合格するのは無理?

独学での合格はかなり難しい

公認会計士試験に独学で合格するのは簡単ではありません。

公認会計士は、医師や弁護士と並ぶ難関国家資格と言われており、試験の難易度も非常に高いです。

その難易度の高さから、社会人であれ大学生であれ、専門学校や受験予備校で2年~3年超の長い期間に渡って、しっかりとした受験対策をしている受験生がほとんどです。

独学」で公認会計士試験に合格した受験生も存在はしますが、合格者の1割にも満たないでしょう

ではどういった人が、独学で合格し公認会計士資格を取得できるのでしょうか。

どんな人が独学でも合格できる?

ほとんどの人が専門学校・受験予備校へ通う一方で、独学で公認会計士試験に合格したという人も少数ながらも存在します。

どんな人が独学で合格できるのでしょうか? 

意志の強い人

合格者の平均的な学習時間は3,500~5,000時間と言われ、期間にして2年超に渡る長期の試験です。

試験範囲も膨大で難易度も高く、まとまった勉強時間を確保できることは前提として、勉強を継続し続ける強い意志が必要です。

また、独学での勉強は孤独になりがちです。

公認会計士専門学校等では同じ目標を持つ周囲の受験生とお互いに刺激し合うこともできますが、独学でそうした仲間を見つけることも難しいでしょう。

途中で挫折する人が大半な公認会計士試験を独学で突破できる人は、周囲に影響されない強い意志を持つ人と言えます

計画的な学習計画を立案できる人

既に述べたとおり、受験期間は長期間にわたります。

受験範囲も広い試験ですので、受験テキストの量も非常に多く、優先度を決めながら計画的に勉強を進めることが必要となります。

公認会計士専門学校を使う大きなメリットの一つがこの学習計画の立案です。

公認会計士専門学校では、蓄積されたデータに基づき効率的な学習カリキュラムを組んでくれています。

独学で合格するには、試験の出題傾向や対策のリサーチに始まり、効果的な学習計画の立案が必要になります

一定の地頭がある人

難関試験であり、試験内容も非常に高度です。

専門学校のテキスト・参考書を入手できたとしても、それを独力で理解するのは非常に困難な作業です。

根性論だけでなんとかなる試験ではありませんので、一定の地頭の良さは必須です

独学で勉強をするメリット

独学で勉強をするメリット

講座を受講するよりお金がかからない

独学で勉強する最大のメリットは、専門学校の受講料がかからないことです。

受講料は、安価な中堅・中小の専門学校で約30万ほど、大手専門学校では約50万~80万円ほどかかります。

通学講座に比べ安価な通信講座であっても、受講料に大きな差はなく、高額の受講料がかかります。

また、この受講料は最も一般的な約2年をかけて合格を目指す講座の場合であり、実際に講座期間2年でストレートに合格できる人は一握りです

多くの受験生は、この最短2年の講座に加え、合格できるまで1年、2年と追加講座に申し込むのが一般的で、さらに受講料がかかります。

独学ではこれらの受講料や専門学校への通学費用などもかからず、テキスト代で済みますので、大きなメリットです。

マイペースで勉強できる

独学のもう一つのメリットは、自分のペースで勉強ができることです。

忙しい大学生や社会人、主婦などは、専門学校の講座を受けるための時間の調整が難しいことも少なくありません。

独学では、空いた時間に勉強ができ、自分のペースで勉強を進めることができるメリットから、独学を選択している方もいます。

独学でありがちなデメリット

独学でありがちなデメリット

市販の教材・参考書がほとんどない

独学で勉強を始めようという方が最初につまづくのが、公認会計士試験用の教材・参考書が一般の書店やamazon等のECサイトにもほとんど販売されていないことです。

多くの受験生は、専門学校や予備校のテキストと問題集で勉強をするため、公認会計士試験用の書籍・本は一般に市販されているものがとても少ないのが実情です。

個人ブログやサイトなどで市販の公認会計士試験用の教材・参考書が紹介されているものもありますが、出版日が古いと、直近の法改正等に対応していない等の問題もあります

このように、市販のテキストが見つけられないということが、独学で勉強する上での大きな障害となります。

計画通り勉強するのが困難

既に述べているとおり、試験範囲は膨大で、勉強期間も長期にわたります。

独学の場合、試験日までの学習計画を自分で立てる必要があります。

特に初学者の人はどこから勉強の手を付けていいのかわからず、混乱してしまうことでしょう。

また、専門学校の公認会計士講座のように決まったスケジュールもないため、強い意志がないと計画通りに勉強を進められず、自己管理だけでは途中で挫折してしまったという人も多くみられます

質問する相手がいない

質問する相手がいないのも大きなデメリットです。

専門学校では講師がいつでも質問に答えてくれますが、独学では質問できる相手を見つけることは難しいでしょう。

市販の書籍・本やネット情報だけでは、疑問点に対する明確な答えが得られないことも多いです

試験の難易度、勉強範囲の広さから効率的な勉強が求められる公認会計士試験において、疑問点の解消に多くの時間をかけてしまうことは非常に大きなロスであり、質問できる相手がいないというのは独学のデメリットの一つです。

法改正が多い試験

公認会計士試験に関連する会計基準や監査基準は、経済環境の変化等に対応して頻繁な改正が行われています。

公認会計士試験の勉強は1年超の長期間に渡るため、勉強している途中で法規制が改正されることもざらにあります。

専門学校に通っていれば、改正論点について適時にテキストが改訂されたり特別講座が実施されたりと、手厚いフォローを受けることが可能ですが、独学の場合には、自分で改正内容を把握して勉強する必要があります

モチベーションの維持が困難

長期にわたる試験ですので、モチベーションの維持は簡単ではありません。

特に独学は孤独になりがちで、モチベーションを刺激し合える勉強仲間もなかなか見つけられないために、資格取得自体を挫折してしまう人も少なくありません。

公認会計士試験に合格し、絶対に資格を取得するのだという強い意志がないと、独学で勉強を継続することも簡単ではないでしょう

ほとんどの受験生が公認会計士専門学校・予備校を選ぶ理由

ほとんどの受験生が公認会計士専門学校・予備校を選ぶ理由

なぜ、ほとんどの受験生が専門学校・予備校に通うのでしょうか。

独学のデメリットに関連しますが、主な理由は以下のとおりです。

専門学校・予備校のテキスト・参考書は優秀

専門学校のテキストや参考書は、試験の出題傾向や対策をもとに毎年アップデートされており、試験用の学習教材として非常に優秀です。

市販の教材・参考書では、公認会計試験用として出版されていないものも多く、読むだけではでどういった点を重視して勉強すればよいのか分からない本も少なくありません

また、ほとんどの受験生が専門学校のテキストのみを利用していることから、専門学校から配布されたテキストだけに集中して勉強していれば、テキストの面で、他の受験生に後れを取ることもないという点が、専門学校が支持される理由の一つです。

勉強の計画を任せることができる

独学だと、試験に出題されにくい範囲の勉強をしてしまったり、難しい内容の勉強から始めてしまって挫折してしまうこともあり、学習計画を立てるだけでも簡単ではありません。

専門学校の公認会計士講座では、初学者向けの基礎的な内容から本試験レベルの内容まで、一定のカリキュラムに学習を進めていくことになります。

そのため、受講生は決められた学習カリキュラムに沿って講座を受講するだけで、初学者の人であっても、基礎的な内容から計画的に勉強を始めることが可能です。

自分で勉強の計画を立てる時間も節約でき、正しい方向で効率的な勉強を進められることから専門学校は根強く支持されています

法改正に対応できる

上述のとおり、公認会計士試験の試験範囲では毎年のように法規制の改正があり、受験生はその対応が必要になります。

専門学校では、改正論点の対策テキストや講座の対応もしてくれるため、自分で直近の改正内容などを調査する必要がありません

通常の試験範囲の勉強に加え、法改正の内容を自ら調査して勉強することに不安を感じる受験生も多く、この点も専門学校が支持される理由の一つです。 

お金が気になる受験生の解決ポイント

お金が気になる受験生の解決ポイント

社会人は教育訓練給付金が利用できる

社会人が公認会計士試験を目指す場合、教育訓練給付金が利用できる場合があります。

当該給付金により、対象講座にかかる費用の20%~最大80%まで(支給上限あり)について、給付金を受けることができ、受講費の負担を軽減することができる可能性があります。

特に、雇用保険加入1年以上の方や離職後1年以内の方など、公認会計士への転職をお考えの人は、当該制度の対象となる可能性が高く、公認会計士講座の申し込み前に予備校、専門学校やハローワークへ確認を行うことをおすすめします。

「教育訓練給付制度とは、働く⼈の主体的な能⼒開発の取り組みまたは、速やかな再就職および早期のキャリア形成を⽀援し、雇⽤の安定と再就職の促進を図ることを⽬的とする雇⽤保険の給付制度です。」

特待生・奨学生を設ける専門学校・予備校もある

公認会計士試験の専門学校・予備校の多くでは、特待生・奨学生制度を設けており、受講費用が大きく割引される可能性があります。

各専門学校等では定期・不定期に特待生試験が実施されており、その試験の成績優秀者に対し、専門学校等によっては、最大で80%割引などの優遇措置を設けています。

試験内容は、専門学校等により様々で、簿記などの公認会計士試験関連の科目試験を課す学校もあれば、論文式の試験を課す学校もあります。

受講費用をできる限り抑えたいという公認会計士試験受験生は、特待生試験にチャレンジして特待生・奨学生を目指すこともおすすめです。

おすすめの公認会計士予備校

TAC

TAC
TACは、公認会計士や税理士講座を開講する資格予備校としては、以下で紹介する資格の大原と並んで業界最大手の予備校です。

規模が大きく受講者数も多いため、通っているだけで受験生全体のレベルや自分の勉強の進捗度合いを感じることができます。

講座料金はやや高めですが、合格者に占める割合も例年3割程度と実績も十分であり、大手志向の方には特におすすめです。

TACの詳細はこちら

資格の大原

資格の大原
資格の大原は上述のTACと並んで最大手予備校の一つです。

受講料はTACと同様にやや高めであるも、受講者数の多さ、講座やテキストの充実度などから大手のメリットを感じることができるでしょう。

TACと比較した場合の違いの一つとしては、受講クラスの雰囲気がよく挙げられる点です。

資格の大原は、大原学園という学校も運営しており、全体的に雰囲気は「学校」に似ており、受験生同士の距離感が近い傾向にあります

同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら、公認会計士試験の合格、資格取得を目指したいという方には特におすすめです。

資格の大原はこちら

CPA会計学院

CPA会計学院
CPA会計学院は、数年前から急激に合格者数を伸ばし、成長を続けている公認会計士受験予備校です。

TACや資格の大原と比較すると、規模は少し劣るものの、合格者数はTACや資格の大原と同じ水準まで合格者数を伸ばしており、最大手2校と並び今最も受験生に人気のある予備校の一つといえるでしょう。

受講料は、TACや資格の大原と比べると、少し安価な価格帯です。

校舎数は、TACや資格の大原と比較すると少なく、東京地区が中心となっています。

関東圏にお住まいの方や、Web受講での講座を検討している方にはおすすめです。

CPA会計学院はこちら

まとめ

この記事では、「公認会計士試験に独学で合格できるのか?」、「独学のメリット・デメリットは?」といった点について、考えてきました。

公認会計士試験へ独学で合格することは不可能ではありませんが、かなり難しく、強い意志や計画性、一定の地頭の良さが必要です。

独学のメリットとして、費用面やマイペースに勉強できる点があります。

しかし、多くの受験生は、専門学校の優秀なテキストや学習カリキュラム、法改正への対応といった点から専門学校に通って勉強をしていることを紹介させて頂きました。

また、最後に、専門学校の費用を節約できる制度やおすすめの公認会計士予備校を紹介させて頂きました。

公認会計士試験独学で合格することはかなり困難ですが、様々なメリット・デメリットを比較したうえで、自分に合った勉強法で試験合格に向かう一助となれば幸いです。