公認会計士試験にはトータルでどのくらいの勉強時間が必要?

公認会計士試験は、学歴も年齢も制限がないのでだれでも受験可能です。しかし、合格率は毎年10%程度と低く、国家試験の中でも難易度の高い試験の1つ。
では、公認会計士試験に合格するにはどれくらいの勉強時間が必要なのか?
特に、仕事と公認会計士の受験勉強を両立させられるかどうかは、社会人にとって大きなポイントとなるでしょう。
ここでは、公認会計士試験に必要な勉強時間と試験内容について解説していきます。あくまで勉強時間は目安ですが、公認会計士試験にチャレンジする方はぜひ参考にしてください。
3000時間ってホント?公認会計士試験合格に必要な学習時間の目安

公認会計士試験の勉強時間の目安は一般的に3000時間~5000時間といわれています。
これは、大原学園やTACなどの公認会計士コースでの授業や答練を除いた自主学習の時間なので、トータルで考えると非常に多くの時間を要することとなります。
公認会計士の試験は短答式試験と論文式試験の2段階選抜です。
短答式はマークシート方式ですが、論文式は人にきちんと説明できるレベルの思考力、論理力、記述力を必要とするため難易度が高く、これが公認会計士試験には最低3000時間以上が必要と言われる理由です。
受験回数が増えればもっと時間がかかる

公認会計士試験に1回で合格するケースは少なく、2回3回と複数回受け直して合格する方がほとんどです。
受験回数が増えれば増えるほど習得した知識を維持するのが難しくなるため、5000時間以上勉強しても報われない場合があります。
多浪を避けて短期合格を目指すなら、毎日コンスタントに勉強して知識を維持し、直前期にはまとめて時間を取って集中的に応用力・論理力・記述力を養い、試験日にピークを迎えられるようにするのがベストです。
ピークを迎えるというのは、試験当日に全力投球できる状態にするという意味ではなく、本番では楽に最高点を獲得できるように調整していくことです。
選択科目と勉強時間の目安

論文式試験は「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」「租税法」の必須5科目と、「経営学」「統計学」「民法」「経済学」の4科目から選択1科目で、計6科目の範囲です。
必要な勉強時間はそれぞれ異なりますが、ここでは選択科目に必要な勉強時間と選び方のヒントも付け加えておきます。
選択科目別の勉強時間目安一覧
科目 | 勉強時間(目安) |
---|---|
経営学 | 約200~250時間 |
経済学 | 約500時間 |
民法 | 約450時間 |
統計学 | 約200~250時間 |
経営学:勉強時間も少なく数学的知識も高校レベルなので、約8割の受験生が選択します。
統計学:勉強時間は少ないですが、計算科目で数学的知識も高いため1割程度で、その大半は統計学の得意な方です。
民法:勉強時間が多いことから1割未満で、選択する人のほとんどが法学部出身者。
経済学:計算科目で勉強時間も多いため1割未満。経済学部出身で数学の得意な人向きと言えます。
どの科目を選択するかは自由ですが、入門期(初学者)で経済学、民法、統計学の専門的知識がないという方には「経営学」をおすすめします。
他の難関試験と勉強時間で比較

公認会計士は、「弁護士」や「医師」と並ぶ三大国家試験と言われており、その難易度は非常に高いため、公認会計士の国家試験に合格を勝ち取るには膨大な量の勉強量が必要で、それ相応の勉強時間を費やす必要があります。
一般的には、公認会計士試験に合格するには、3000時間〜5000時間の学習時間が必要だと言われており、2020年度の合格率も10.1%、2021年は9.6%しかないため、公認会計士試験は非常に難関であると言うことができます。
では、他の難関と言われる国家試験の場合の学習時間はどうでしょうか。
まず、医師の国家試験を見てみると、医学部での授業を含まない自習の勉強時間だけでも最低5000時間は必要とされています。
弁護士の司法試験も公認会計士試験同様に3000時間〜5000時間は必要とされています。
また、国家試験ではありませんが、日本最難関大学である東京大学に現役合格するには、偏差値67以上の高校に在学する生徒でも最低4500時間、そうでない生徒はその時間にプラスで1000時間〜3000時間の勉強時間が必要だと言われています。
ちなみに、日本最難関である東京大学に現役合格するには、偏差値67以上の進学校に在学する生徒でも最低4500時間、67未満の生徒はそれにプラス1000〜3000時間の勉強時間が必要と言われています。
ここで解説した勉強時間はあくまで目安であり、世の中には天才と呼ばれる人たちもおり、一人ひとりの能力は違うため一概には言えませんが、このように、日本において難関と呼ばれている試験に合格するには、膨大な勉強時間を要します。
資格試験の合格に必要な勉強時間一覧
資格 | 勉強時間(目安) |
---|---|
公認会計士 | 3000~5000時間 |
医師国家試験 | 5000時間 |
司法試験 | 3000~5000時間 |
東京大学 | 4500~7500時間 |
社会人は勉強時間の確保が課題

公認会計士を目指すのは大学生や仕事を辞めた受験専念組がほとんどで、働きながら合格するのはきわめて難しい試験となっています。
社会人にとって大きな問題になるのが何と言っても勉強時間の確保です。
仕事が忙しくて後れを取ってしまうと勉強についていけなくなり、途中でドロップアウトするというパターンに陥りがちです。
そこで、社会人が合格するために必要なのは、決して無理な計画を立てずに段階的に合格を狙っていくことです。
公認会計士試験は2006年の新制度に移行してから、社会人でも受験しやすいように簡素化されました。
短答式試験に合格すると、論文式が不合格になった場合、次回の短答式は免除され、論文式だけを受ければよいことになっています。
ただし猶予期間は2年間(翌年とその次の年に限定)。
論文式試験では、監査審査会が合格相当と認める成績を納めた科目がある場合、次回の試験ではその科目が免除されます。猶予期間は同じく2年間。
旧制度では、論文式試験が不合格だった場合は翌年に再び短答式から受験する必要がありましたが、現在は2年以内なら短答式免除で論文式試験に挑戦することができます。
しかし、現実は社会人合格者はまだまだ少数派で、難易度の高い試験であることは間違いありません。
いかに平日の早朝・夜間及び週末の時間を勉強時間に充てられるかが、合格に大きく影響してきます。
おすすめは、まずは短答式の合格を目指すことです。
専念組のように一発合格は難しくなりますが、段階的に対策できることから、試験合格の確実性が高まります。
時間が限られる社会人へおすすめの非常識合格法!

クレアールは、合格に必要な学習範囲に絞って学習する「非常識合格法」で高い実績をあげてきた公認会計士専門学校です。
非常識合格法とは、公認会計士試験に合格するには満点を取る必要はないという考えのもと、公認会計士試験に頻出する範囲に絞って徹底的に学習する方法です。
無駄のない学習効率を重視したカリキュラムは、忙しい社会人でも確実に公認会計士試験に合格できるだけの得点力を身につけられます。
公認会計士試験の膨大な出題範囲からピンポイントで効率よく学べるのは豊富な実績とノウハウを持つクレアールだから実現できることです。
通信制なので費用も他の講座に比べて割安です。
また、社会人でも無理なく学べるように、教育ローンが適用できる講座も用意されています。これは36回払いまで無金利とされているので、ローンというより月謝感覚で利用することができます。
公認会計士に必要な勉強時間まとめ
今回は、公認会計士試験を合格するために必要な勉強時間の目安について紹介してきました。
もちろん、勉強時間はあくまで目安であって、3000時間を満たなくても公認会計士試験に合格していく人はもちろんいます。
また、勉強時間だけでなく、学習の質も非常に重要です。
公認会計士試験に合格するために重要なのは、勉強時間だけでなく、学習の質です。3000時間の勉強時間を確保できても、質の良い学習習慣が身につかなければ合格できません。
勉強時間の確保と、学習の質向上の両方が実現できて初めて公認会計士試験合格の可能性が見えてくるということです。