USCPA(米国公認会計士)
USCPA(US Certified Public Accountant)は、アメリカの公認会計士資格ですが、日本を含め世界中で活躍できる国際公認会計士資格です。
実際に、転職やキャリアアップを兼ねて取得する日本人も多く資格予備校でも対策講座が数多く開講されています。
試験は全州で統一されていますが、受験資格は各州で異なっており、取得および登録も各州に委ねられています。
受験資格に必要な大学の所有単位数は、短大卒業程度の単位で受験資格を得られる州から大学院卒程度の単位が必要など州など様々なので、まずは出願する州を決めることから始まります。
以前は、受験するためにアメリカに渡航する必要がありましたが、2011年以降は東京・横浜・大阪で受験可能となりより受験しやすくなっています。
なお、米国公認会計士の試験科目はFAR(Financial Accounting & Reporting)・REG(Regulation)・BEC(Business Environment & Concepts)・A&A(Auditing & Attestation)の4科目から構成されており、試験時間数は合計16時間にも及びます。
USCPAの試験概要
試験科目と出題形式
試験科目 | 試験時間 | 出題形式 | 配点割合 |
---|---|---|---|
FAR | 4時間 | Multiple Choice 66問 Task Based Simulation 8問 |
50% 50% |
BEC | 4時間 | Multiple Choice 62問 Task Based Simulation 4問 Written Communication 3問 |
50% 35% 15% |
REG | 4時間 | Multiple Choice 76問 Task Based Simulation 8問 |
50% 50% |
AUD | 4時間 | Multiple Choice 72問 Task Based Simulation 8問 |
50% 50% |
各試験科目の出題内容
試験科目 | 出題内容 | 出題比率 |
---|---|---|
FAR | 企業会計 | 80% |
政府会計 非営利組織会計 |
20% | |
BEC | コーポレイトガバナンス | 22% |
経済学 | 22% | |
ファイナンス | 16% | |
情報技術(IT) | 20% | |
戦略立案 オペレーションマネジメント |
20% | |
REG | 連邦税法 | 70% |
ビジネス法と職業倫理 | 30% | |
AUD | 監査、証明業務など | 80% |
職業倫理 | 20% |
科目別合格率
2016年 | |
---|---|
FAR | 45.55% |
BEC | 55.41% |
REG | 48.45% |
AUD | 45.86% |
受験費用
出願料 | 50ドル~220ドル(州によって異なる) | |||
---|---|---|---|---|
受験料 | FAR | BEC | REG | AUD |
193.45ドル | 193.45ドル | 193.45ドル | 193.45ドル | |
日本受験追加料金 | 356.55ドル | 356.55ドル | 356.55ドル | 356.55ドル |
USCPAのメリット&デメリット
メリット
USCPAはアメリカの会計基準(USGAAP)に準拠していますが、2011年以降は国際会計基準(IFRS)に関する出題も確認されているため、第一線の会計基準を学ぶことができます。
また、会計知識はもちろん、法律、税務、経済、IT、内部統制など幅広い知識を高度なレベルで、しかも英語で習得できるため高い専門性と英語力をアピールできます。
現在は、会計士業務は監査業務に関わらず、M&AやIPO、リストラクチャリングなど活躍の場が広がっている将来性豊かな資格です。
特に、高い専門知識と語学力を有しているので、外資系企業からのニーズが高く、待遇も一般企業に比べて充実しているのが魅力です。
さらに、USCPAは相互承認制度を立ち上げており、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、メキシコなど他の国でも国際公認会計士として活躍することが可能です。
デメリット
USCPAの試験に合格しても日本の公認会計士と同じく試験合格者としてしか扱われません。
米国公認会計士と名乗るには州ごとに登録申請を行う必要がありますが、実務経験などが必要となり、全ての基準をクリアして初めてライセンスを取得できます。
ちなみにライセンスを取得しないと名刺や履歴書で米国公認会計士と記載できません。
また、日本の公認会計士に比べてUSCPAの難易度は低いため合格者も多く、そのうえ日本ではやはり業務内容が限られてくるので競争も激しいです。
さらに、USCPAの受験料は各科目2万円程度かかるので4科目受験の場合は約8万円となり、日本の公認会計士試験の4倍ほど高くなります。
しかも日本で受験する場合は追加料金が発生するため、1科目あたり6万円ほどとなり、4科目受けるには約24万円と高額な受験料が発生します。
アメリカで受験するには渡航費用や宿泊料金などかかるため、受験するだけでも高額な費用が発生してしまいます。