公認会計士試験の過去問対策について解説
公認会計士試験で合格する人の多くは過去問対策を行っています。
しかし、過去問はどうやって活用すれば良いか分からない受験生もいるでしょう。
そこで今回は公認会計士試験の過去問対策について解説していきます。
公認会計士試験で過去問対策は必要?
公認会計士試験で一度出た問題は繰り返しでてこないので、過去問をやることは無意味だということをよく聞きます。
しかし、本質的理解や効率的学習の手段の観点からは過去問を利用した方が良いです。
たしかに資格予備校の答練も過去問等をベースとし、現在のトレンドを考慮して作られているので、それだけをやればいいと思いがちです。
それでも、実際試験に出た問題を取り組むことにより、「どこの分野を問われているのか」、「どのような聞かれ方をしているのか」というのを肌身で感じ自分なりの対策をとる必要があります。
資格予備校の先生方もこのようなことは言われると思いますが、実際にやらないと実感できないものです。
合格している人の多くは過去問分析を怠りません。
公認会計士・監査審査会では年度別の過去問を公開【※注意点あり】
公認会計士試験の過去問は、試験を運営する公認会計士・監査審査会の公式サイトから無料でダウンロードすることが可能です。
これなら、お金をかけずに過去問を入手できるので魅力的。
ただし、注意点もあり、それは解答・解説がないこと。
短答式はマークシート方式なので解答も公表してくれていますが、解説はありません。
また、論文式試験の場合は解答・解説両方がないので、問題の出題傾向を知ることができますが、それ以上の使い方ができません。
おすすめは、資格予備校が販売している過去問テキストを購入することでしょう。
解答および解説がついているので、実際にどれくらい得点できているかを確認することが可能です。
おすすめの過去問テキストは大原
公認会計士試験の過去問は市販で購入することもできます。
法改正などの論点に対応している問題集もあるので、「公認会計士・監査審査会」のホームページから入手するよりもおすすめ。
おすすめは大原の公認会計士試験の過去問題集。
解答・解説はもちろん、法・制度改正の影響についても反映してくれているのが特徴です。
2020年 大原の公認会計士受験シリーズ 短答式対策 過去問題集 新品価格 |
公認会計士試験で失敗する過去問の使い方
公認会計試験はとにかく試験科目が多く、出題範囲も膨大です。
✓公認会計士試験の科目まとめ
- 短答式試験
財務会計論、管理会計論、監査論、企業法 - 論文式試験
会計学、監査論、企業法、租税法、選択1科目(経営学・民法・統計学・経済学)
上記の過去問を解こうとしたら1年分だけでも解答・解説を確認することで膨大な日数がかかってしまいます。
これを複数年得となると非常に非効率。
繰り返し問題を何回も解く
過去問は出題形式の傾向がつかめるからと、何回も繰り返し解く人いますが、これはおすすめできません。
これは、論点は同じでも出題形式や問われ方が違うからです。
そっくりのそのまま同じ問題が公認会計士試験で出たことはほとんどありません。
その時間があったら、問題集や答練を解きなおしたほうが効果的です。
試験時間を図って本番さながらに解く
実践慣れのために、本試験と同じ時間で解こうとする人がいますが、これもあまり効果はありません。
試験時間に解いて得点を伸ばす訓練はTACや大原の答練で鍛えられます。
答練は過去の試験問題を分析した上で、難易度や予想問題がバランスよく考慮されており、資格予備校の英知が結集された模試です。
公認会計士試験の実践力は答練で磨くというスタンスで問題ないでしょう。
合格に直結する活用法
公認会計士試験の過去問対策のダメな使い方を解説してきました。
それでは、どうやって過去問対策を行うことが公認会計士試験の合格へ直結できるのでしょうか。
下記ポイントで効果的なおすすめの過去問活用法を紹介します。
苦手科目・分野の洗い出し
公認会計士の短答式試験・論文式試験両方に言えるのは、足きり制度が設けられていることです。
公認会計士・監査審査会では、「試験科目のうち1科目につき、その満点の40%未満のものがある者は不合格」と公表しています。
つまり、合格点に達していても、1科目でも40%未満の科目があれば自動的に不合格となってしまうのです。
したがって、公認会計士試験に苦手科目があるのは致命的。
過去問を解いてどの科目やどの分野が自分が苦手なのか、明確化しましょう。
そして、苦手な科目や分野は徹底的に対策を行い克服しておくことが重要です。
頻出論点を知る
公認会計士試験の過去問を確認すると同じ論点が複数年出題されていることが分かると思います。
したがって、過去問は直近の1年分だけではなく、複数年を確認して頻出論点を確認していきましょう。
頻出論点は今後も出題される可能性が高いので、重要論点となります。
重要論点が分かると、論点ごとに強弱をつけて勉強できるようになるため、学習効率が高まります。
出題の問われ方を知る
公認会計士試験の過去問をチェックすることで、どんなふうに出題されているのか、問題のパターンを知ることができます。
定義・理由・目的・事例・具体例など様々な方法で公認会計士試験は出題されてきます。
出題パターンが分かれば、日々の勉強でも覚えることや理解できるポイントを分かるようになるため、学習効果が高くなること間違いなしです。
解答・解説で難易度レベルを知る
公認会計士試験の過去問を解いたら、必ず解答・解説を確認しましょう。
解いて終わってしまったら何の意味もありません。
解答や解説をも確認しても分かるように公認会計士試験は難問ばかりではなく、基礎的なレベルの問題も沢山あります。
公認会計士試験は合格点は決して高くはないので、出題レベルを知って合格するために必要な点数が取れるよう対策を練りましょう。
まとめ
公認会計試験の過去問対策について紹介してきました。
正しい活用法を確認して分かったと思いますが、時間を計って実践形式で解いているわけではありません。
頻出論点や出題形式を知ることを重視しています。
したがって、勉強がある程度進んでから始める必要もなく、むしろ勉強の初期段階で過去問をチェックしておけば、論点の強弱や出題ポイントを理解しているので、日々の勉強の質が高まるのです。
過去問の使い方が分からない人は、ぜひ実践してみて下さい。