公認会計士試験対策におすすめの市販参考書
公認会計士を目指している方の中には、独学で勉強して試験合格を狙っている方もいるでしょう。
公認会計士は医師・弁護士と並ぶ国家3大資格と言われ、試験の難易度は非常に高いです。そのため、予備校に通って試験対策をする方が多いのですが、独学で勉強する方ももちろんいます。
この記事では、独学で公認会計士試験合格を目指す方に向けて、市販されているおすすめの参考書を紹介していきます。
短答式試験におすすめの参考書

2020年度版 公認会計士試験 短答式試験対策 過去問題集
公認会計士の資格予備校であるTACが出版している短答式の試験問題集です。
丁寧な解説というよりは、十分に勉強を積んだあとに定着度を確認したり、実際の問題に慣れたりするために使うのがおすすめです。

2020年版 大原の公認会計士受験シリーズ 短答式対策 過去問題集
こちらは、大手資格専門学校の大原が出版している試験問題集です。
TACの過去問と同じ用に、学んだことの定着度の確認や最後の仕上げに利用するのがおすすめです。

管理会計
カラーの図などが添えられた丁寧な解説でわかりやすいと人気の、管理会計に関する参考書です。
別売りで問題集も販売されているため、こちらの参考書と合わせて内容をしっかり理解しながらすすめていくことができます。

公認会計士試験 短答式 企業法〈2019年版〉
この参考書は、公認会計士・監査審査会が公表している「出題範囲の要旨」の内容を踏まえ、企業法の体系をスムーズに理解できるように構成されています。
試験に出題される企業法の範囲を基本を押さえながら全て網羅しているので、この1冊で効率よく学習することができます。

スタンダードテキスト監査論(第5版)
こちらは、監査論についての参考書です。著者は元公認会計士試験委員という経歴の方ばかりで、実際の試験で問われやすい内容を解説しているため非常に参考になります。
この第5版は2020年5月に出版された最新版で、2018年~2019年の監査基準改訂や、それに伴う監査基準委員会報告書等の改正事項等を反映させているため、比較的新しい情報を得ながら学習を進めることができます。

スタンダードテキスト財務会計論Ⅰ〈第13版〉
こちらの参考書も、先ほど紹介した監査論の参考書と同じく元公認会計士試験委員が著者として関わっています。
2020年5月に出版された最新版で、ここ数年間で行われた会計基準等やその他の制度改正の内容を盛り込んだ最新の参考書として活用できます。
論文式試験におすすめの参考書

公認会計士試験論文式試験必修科目過去問題集 2019年度版
こちらの参考書は、大手資格予備校のTACが出版する論文式試験の過去問題集です。
過去問題集なので、論文式の答案作成や時間配分などの感覚を身につけるために、試験前に繰り返し解いてみるのがおすすめです。
論文式試験の参考書は非常に少なく、市販の参考書を探してもなかなか見つかりません。調べても、こちらで紹介したTACの過去問題集くらいしかヒットしないこともあるでしょう。
そんな時におすすめなのが、次に紹介する予備校の答練パックです。
論文式試験は答練パックの利用もおすすめ
答練パックとは、公認会計士の資格予備校が開講している、論文答練や全国公開模試が受講できる教材コースです。
講義を受講するのではなく教材を購入して自分で解くという形なので、コース費用は通常の講義コースよりも割安となっています。
特に論文式試験は市販の参考書がなかなか売っていないため、予備校の答練パックを活用して勉強することがおすすめです。
TACの上級論文答練パック本科生 | |
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対象 | 短答合格者又は免除者で答案練習を中心に対策したい方 |
論文答練 | 約50回 |
アクセス答練 | 財務会計論14回、管理会計論14回、租税法11回 |
全国公開模試 | 論文2回 |
理論補強答練 | 財務会計論-理論、監査論、企業法、租税法、経営学 |
受講料 | 教室講座 313,000円 |
クレアール 上級論文合格コース | |
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対象 | 短答合格者又は免除者で答案練習を中心に対策したい方 |
論文答練 | 財務会計論21回、管理会計論13回、監査論7回、企業法7回、租税法10回、選択科目(経営学)23回 |
講義 | 財務会計論4回、管理会計論1回、監査論1回、企業法6回、租税法31回、選択科目(経営学)12回 |
論文式公開模試 | 1回 |
受講料 | Web通信 285,000円 |
独学で受験対策をすることは本当に可能?
ここまで独学で公認会計士試験に合格するための参考書について紹介してきましたが、正直なところ、独学での公認会計士試験の突破は非常に難しいです。
販売されている参考書が少ないというだけでなく、
- 毎年アップデートされる試験の最新情報を得ることが難しい
- 社会人は勉強時間の確保が難しい
この2点の理由があります。
試験問題は毎年アップデートされる
公認会計士試験は、定期的に制度改正が実施されます。制度改正が実施された際には、改正された論点が試験に出題される可能性が非常に高く、最新の情報を入手して重点的に対策をする必要があります。
しかし、市販の教材は必ずしも毎年新しいものが出版されるとは限らず、古い教材では最新の情報に対応していないこともあります。
インターネットを活用して自分で情報を集めることもできますが、全ての分野で正しい情報を入手するのはかなり困難でしょう。
公認会計士の資格予備校や専門学校であれば、プロの講師が最新情報をカバーして教えてくれますし、教材への反映も迅速です。
社会人は勉強時間の確保が難しい
独学で合格を目指す場合に最も困るのが、勉強時間の確保です。特に社会人の方は仕事のかたわら勉強をすることになるので、毎日何時間も勉強するのは非常に厳しいでしょう。
そんな状況の中で合格するためには、いかに効率的に勉強を進めるかどうかが重要になります。
効率を考えた場合、自分で市販の参考書を買い集めて手当たり次第に勉強を進めるというのはあまり良い方法ではありません。
独学で効率の良い勉強をするにしても、初めて受験する方や財務・会計の知識が少ない方はなかなか難しいでしょう。
このような面があるため、独学での公認会計士試験合格は厳しいと言われているのです。
最短合格を目指すなら公認会計士予備校も検討

先ほど説明したとおり、公認会計士試験に独学で合格するのは非常に難しいです。可能性はゼロではありませんが、体力面でも精神面でも厳しい中で勉強をしなければならないため、合格する人は稀です。
そのため、公認会計士試験に最短で合格したいなら、公認会計士予備校などに通うことがおすすめです。
学費はかかるものの、公認会計士試験の指導経験が豊富なプロ講師の指導を受けられるため、独学で勉強するよりも合格に近づくことができます。
仕事との両立が心配な社会人の方でも、Web通信講座や夜間コースを開設している予備校もあるため、ある程度通いやすいでしょう。
社会人は勉強時間の確保が難しい
公認会計士予備校では、開講されているコースの長さに応じて、綿密に作り込まれたカリキュラムのもと学習を進めていくことができます。
自分で学習計画を考える必要はなく、与えられた課題をこなすことで着実に知識を定着させていくことができます。
また、資格予備校で使用されているテキストや参考書は何年間もかけて蓄積されたノウハウが詰まっているため、公認会計士試験で出題される内容をより確実に学んでいくことが可能。
分からない点があってもいつでも講師に質問できる環境が揃っているため、疑問点の解決に余計な時間をかけることもありません。
このように、公認会計士予備校では独学の勉強だけでは得られないメリットがあります。より確実に合格を目指したいという方は、ぜひ予備校の活用を検討してみてください。